子育ての終わり

子育ての終わりはいつなんだろう。

成人したときか、大学入ったらか、家を出たときか。人によってそれは異なるだろう。


いずれにしても、庇護する必要が薄くなってきたとき、教えるべきことがなくなってきたとき、そんなときが子育ての終わりなんだと思う。

 

 

うちの子は今10歳。

来年中学受験を控え、思春期に差し掛かろうとしている多感な時期だ。

この数ヶ月で急激に振る舞いが変わってきている。

 

親と外出することを嫌がるようになってきたし、オシャレな洋服や髪型に意識が向くようになってきた。学校であったことを聞いても詳しく話さないようになり、おんぶや抱っこなどもうしばらくやった記憶がない。

毎晩、おやすみするときは必ずハグするのが日課だったのだが、いつのまにかやらなくなった。


成長をありがたく感じる一方で、正直な気持ちはさみしく、幼かく可愛らしかったあの頃はもう戻ることがないことを実感する。


これから先、あの頃の記憶はどんどんと遠く、懐かしいものへと変わっていくのだろう。


眠りにつくまで毎晩トントンしたこと

体操スクールのお迎えに行くと、いつも決まって走って胸に飛び込んできたこと

言うことをきかないものだから怒鳴って泣かせてしまったこと

ソファで寝転んでいると決まって上に乗っかってきたこと


大変だったこともあったけど、一つ一つが大切な幸せな記憶として残っている。

 

 

娘は今、中学受験を控えて夏期講習に通っている。日能研だ。

 

 

入塾試験は意外と難しく、これまで何度か挑戦したが不合格だった。

 

娘は謎のモチベーションで、中学受験はなんとしてもがんばりたい!難関中学に入りたい!そして留学したい!と言っていた。

 

「難関中学に入るには、まずはSAPIXとか日能研とか、それなりの塾に入って毎日めちゃくちゃ勉強しないと入れないんだよ、それでもやるの?」

と聞くと、

「やる!夏休みは毎日塾に行かせて!」

「だけど、これまで受けた入塾試験はいつも不合格だし、結構大変だよ?本当にできるの?」

「何度も言わせないで!」

 

ということで、夏期講習は塾生でなくても受けられるため、この夏は日能研の入塾も目指しつつ夏期講習に通わせることに。

夏期講習中にテストが三回あるのだが、一回でも基準点を取れたら9月から入塾できるというわけだ。

 

夏休みが始まり、娘は毎日塾に通った。朝早く家を出て、昼過ぎに授業が終わり、その後も教室に残って夜遅くまで自習を続けた。

 

昨日でちょうど夏休みも折り返しだった。

最近は「塾行きたくないなー」と弱音が出たり、鼻が詰まったりと、さすがに疲れが出てきている様子。

それでも自分は中学受験するんだ、日能研に入るんだと、モチベーションを高く保ち頑張っていた。

 

昨日、日能研から連絡がきた。

「夏期講習テストで基準点に到達したため、9月から入塾できます」

 

塾から帰ってきた娘にそれを伝えると、無言で母親に抱きつき泣き出した。

その後、私のところへきて抱きつき、泣きじゃくった。

「がんばってたもんなぁ・・・」

 

頭をなでながら、こんな風に抱っこするのはずいぶんと久しぶりだなぁなんて思っていた。

 


まだ10歳。だけどもう10歳。

これからの10年はお互いにとってどんな10年になるのだろうか。

 

健やかに育ってくれ!応援してる!